僕らのリーダーであり、みんながリスペクトしていた全日本スノーボード選手権常連のアルペンレーサー、マコGこと井上誠さんが42歳という若さで急逝されました。 いまは、ただ、突然の思いもよらぬ悲しい事実に驚き、胸が張り裂けそうな絶望感にうちひしがれています。
白銀のエコーバレーで夢を語り合ったマコGが真っ白な花に囲まれ、静かな遺影となって僕の目の前にいます。 もう、バーンを切り裂いて流星のようにポールに向かって行く輝かしい勇姿を見ることも出来ません。あの煩いとまで感じたスターティンググリッドでのエール(半分ヤジ)を聞くことも出来ません。自分の愉しみやトレーニングを犠牲にしてまで映像を撮りアドバイスをしてくれた優しい兄貴の声を聴くことも出来ません。 触れあう誰しもがあっという間に惹きこまれ、こころから笑って、楽しく元気づけられてしまうあの良き先輩マコGが、突然いなくなってしまうなんて、誰が信じられるでしょうか。
たった数ヶ月前「お前がプロ・ランキングのシングルに入ったら雪の上にぶっ倒れるまで飲もうぜ!!」と冗談を言った笑顔を片時も忘れることが出来ません。 毎年の暮れ、カウントダウンを最愛の奥さん愛ちゃんや仲間たちともども、蓼科の星空の下で迎え、希望に満ちた新年のシャンパンを大騒ぎしながら回し飲みして、肩を抱き合った時の温もりはいまもこの手に残っているような気さえします。
ハードスケジュールでどんなに疲れていても、週末には「遊びの達人」として、海・山の自然の中に身を置き、自らよりも周りの人々、子供から大人まで誰にも気さくに接しながら、繊細に相手の気持ちを思いやる「偉大な笑いのサープライヤー」が突然、居なくなるなんて誰が予測し得たでしょうか。 多くのアルペンレーサーがマコGのオリジナルサイトCARVE BOYの映像やインストラクション、そして「信念と実行力」に触発され、情熱を滾らせて、アスリートとしての遠い高みを望んで集って来たのです。 多くの仲間たちが心の中のコンパスとしていた、輝ける灯が消えて逝くのを見送ることはとても辛い事です。 今はそんな気持ちを言葉にすることもできませんが、ご冥福を心から祈らせて頂くばかりです。
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